正しい操作とセッティングでトラブルフリーに!


ラインシステムを組まなかったら

ラインシステムを組まずにスパイラルモードでキャスト&リトリーブをすると必ずランニングラインにヨレが生じます。
そのままキャストし続けると10投もすれば、どんどんヨレが強くなりライントラブルの原因となり、釣りに支障をきたす事となります。


そこでラインヨレを開放するラインシステムの仕組みをご紹介します。

ラインシステムを組めば何投したとしても関係ありません。一日中投げ続けても大丈夫です。
フライ自体も回転しないのでヒット率にも影響しません。


フライライン

様々なラインがありますがキャスティング面、ストリームでの操作性、リトリーブなどを鑑みた場合、効率よく広範囲に攻めることができる、全長が短いタイプで飛距離の稼げるものがお勧めです。


ランニングライン

各種PEライン系統で、二律背反しますが細くて、できるだけ張りの強いもの(張りが強いとライン自体がヨリを戻す力が強くなります)を選択して下さい。
2020年現在、皆様にお薦めしているランニングラインはバークレイ社のスーパーファイヤーライン(50ポンド~)です。
普通のPEラインでもご使用は可能です。しかしあまりお薦めは致しません。明らかに別格の性能差があります。

ダブルハンドロッドでご使用される場合は

スーパーファイヤーライン(50ポンド~)でのご使用を強く推奨致します。
メーカーサイトはこちら↓
http://www.purefishing.jp/product/Line/super_fireline.html

シングルハンドロッドでご使用される場合は

よつあみ社のオッズポート4号(70ポンド)がお薦めです。(少し太いのでハンドリングがし易いです)
オッズポート4号はダブルハンドロッドでもご使可能です。
メーカーサイトはこちら↓
https://xbraidygk.jp/products/p3561/

さらにシングルでもうひとつお薦めなのが、メーカーサイトが見当たらないのですが、GAMBIT BASS LINE G7 SUPER PE という商品の60LB(実質強度79.2LB)も上記のオッズポート4号より、ちょっと太めでハンドリングし易いのでシングル用にお薦めです。
75mと短いのですがダブルでも使おうと思えば使えます。

※飛距離を必要としないのであれば、モノコアのランニングラインでもご使用頂けます。(ただしモノコアは飛距離が伸びません)
使用できるロッド:シングルハンド、スイッチロッド、ダブルハンド、どのようなロッドでも使用可能です。ホール動作を伴うキャストもスパイラルモードでキャストできます。


スイベル

一番の要です。しかもどれでもいいという訳ではありません。主に3つの条件があります。
1.回転性能
2.強度
3.サイズ
この3つの条件をクリアーしなければ、うまく機能しません。


スイベルのヨリ取り能力が長年に亘る試行錯誤と、日本の優れた企業による技術革新の繰り返しによって飛躍的に向上した為、この釣り方が可能になりました。


NTパワースイベル

こちらのスイベルが最強です。間違いありません。
MADE IN JAPAN品質です。他との性能比は群を抜いています!
スパイラルモードのご使用をお考えの方は、こちらのスイベルでのご使用を、前提とさせていただきます。

このスイベルは極小サイズ、自重0.07gでありながら強度が21kgもあり、なおかつ非常に滑らかな超高速回転(回転スピードが他の製品と全く違います)を実現されておられます。耐久性の面においても申し分ありません。
※(自重0.07gなので後述の2ヶ所目のセッティングポイントに装着してもドライフライが沈むことはありません。)

もしこの非常に高性能なスイベルがスピニングリール登場以前に発明されていたら、スピニングリールの発明は無かった?...事はないと思いますが、登場はかなり遅れたのではないかと思わせる程の優れたヨリ取り能力です。


スイベルの加工

スイベルはガイドを通る為、念のため熱収縮チューブでコートすることをお薦めしています。
下記写真はスミチューブA (1.5X0.2)(クロ)を使用。(上記NTパワースイベル10号に装着の場合)
1.5×0.2 スミチューブA 住友電工 長さ5m – 【通販モノタロウ】 (monotaro.com)

スイベルループコネクター

下記のように一方を大きなループ状にしておくことで、ラインウォレット等に入れたままフライラインを交換できて便利です。

スイベルループコネクター
1セット3個入り1,800円

ラインシステムの全体図

セットする場所は2ヶ所
(1ヶ所目)フライラインとランニングラインの繋ぎ目にスイベルループコネクター(画面右側)

(2ヶ所目)リーダーとティペットの繋ぎ目にそのままの状態のスイベル(画面左側)

をセットします。リトリーブ時やドリフト時には(1ヶ所目)のスイベルが機能して回転エネルギーを吸収します。(1ヶ所目で既にフライライン及びフライは全く回転しません)


スイベルを2ヶ所に使う意味

実は魚を釣る為にはスイベルはスイベルループコネクターの1ヵ所だけでも大丈夫です。
フライラインは勿論、フライも全く回転しないので、釣果に与える影響はゼロです。

では(2ヶ所目)は何の為についているのかと言うと…魚がヒットして最後にランディングします。ランディング時には当然、魚の重みがラインに掛かります。この重みがラインテンションとの関係でランディング時にのみ、一定量のヨレが回転エネルギーとしてライン全体に影響を与えます。そのランディングした後にティペット部にヨレの影響が出る(出ない時もあります)ので、それを取る為に(2ヶ所目)のスイベルをセットします。


もしライントラブルが起こるとすれば

※ライントラブルが起こるとすればラインツイストではなく、スピニングリールと同様、糸の巻き取り時にテンションを掛けずに、フワフワな状態(ダブついた状態)で巻き取りをしてキャストをした場合です。(全部がトラブルになるわけではなく、いつかはトラブルに繋がります)
もしそのような状態でキャストして、修復不可能の糸の塊が出来てしまった場合は、塊の部分をカットして繋ぎ直せば直ぐに元通りに復活できます。


操作を正しく覚えればトラブルは全く起こりません。

どんなものでもそうですが操作には慣れが必要です。例えばベイトキャスティングリールのバックラッシュ等がひとつの例です。
ただしベイトキャスティングリールほど難しくはありません。慣れないうちは油断して緩く(フワフワに)巻きがちです。(特に管理釣り場、湖等の止水域ではテンションキープを忘れがちになります)
※コツとしてはとにかくダブつかせずに巻き取る事につきます。これだけ徹底していれば全くのノントラブルです。キャストする時ではなく、巻き取り時が全てです。
スプールにラインを巻き取る時に、指でラインを挟んで適度なテンションを感じながら(緩んで巻かない)巻き取りをしている限り、ライントラブルは起こりません。慣れればスプールを見てなくても緩く巻いた瞬間(巻き取り不適切状態の瞬間)が判るようになります。
具体的な察知方法で言いますと、緩く巻いた瞬間、僅かな振動が伝わります。それを感じたらリトリーブを一旦止めて、スプールを反転し、緩いところを巻き直す癖をつけて下さい。